
サンフランシスコ在住4年目のゆりです!
みなさん”バックヤードブリーダー(Backyard Breeder)”という言葉を聞いたことはありますか?
犬を迎えようと思ったとき、「とりあえずブリーダーを探してみよう」と考えるかと思いますが、下調べをあまりせずに多くの人が、このバックヤードブリーダーから購入してしまっているのです。
一見かわいい子犬の写真に見えても、どこで、どのように生まれた子なのかによって、その子の健康・性格・将来の医療費まで大きく変わります。
アメリカでは毎年たくさんの犬がシェルターやレスキューにあふれてしまう現実があります。
様々な理由で手放されるケースの多くは、実はバックヤードブリーダーや、質の低い繁殖場が原因の一つと言われています。
この記事では、バックヤードブリーダーと良質なブリーダーの違い、見分け方をアメリカ在住の視点からわかりやすくまとめました。
バックヤードブリーダーとは? (Backyard Breeder / BYB)

バックヤードブリーダー(以降BYB)とは、
専門的な知識や十分な責任を持たないまま、個人的・営利目的で犬の繁殖を行っている人を指します。
「バックヤード(裏庭)」という名前の通り、
自宅の庭やガレージ、家の一角などで繁殖しているケースが多く、必ずしも違法ではないため、見分けるのがとても難しいです。
「良質ブリーダーだと思っていたら、実はBYBだった」
というケースは、決して珍しくありません。
なぜ問題なのか
繁殖の目的が、犬の健康や将来ではなく、
売ることそのものになっている点です。
- 遺伝病や先天的な疾患を抱えて生まれる可能性が高くなる
- 社会化不足により、怖がり・攻撃性・分離不安などの行動問題が出やすくなる
- 問題行動、健康異常によって飼い主が対応しきれず、手放されてしまうことが多い
というような結果になってしまいます。
実際に、シェルターやレスキューに保護されている犬の中に、BYBから買われた犬や、BYBによって手放された犬達がたくさんいます。
バックヤードブリーダーと良質ブリーダーの違い

BYBと良質なブリーダーの決定的な違いは、
「売ることが目的か」「犬の未来を守ることが目的か」 です。
どちらも“ブリーダー”という言葉で呼ばれますが、繁殖への考え方・管理方法・責任の持ち方は全く違います。
ここでは、アメリカ基準で見た、決定的な違いを整理します。
繁殖の目的の違い
健康管理と遺伝病検査
親犬の扱い
住環境への考え方
価格とアフターサポート
実際に見分けるためのチェックリスト
「違いは分かったけど、実際どうやって見分ければいいの?」
そんな方のために、ブリーダー選びで必ず確認してほしいポイントをまとめました。
必ず確認するべき10の質問リスト
ブリーダーに問い合わせる際は、次の質問をしてみてください。
- 親犬の遺伝病検査(OFA・DNA検査)の結果を見せてもらえますか?
Can I see the OFA or PennHIP certificates for the parents? - この犬種の繁殖はどのくらいされていますか?
How long have you been breeding this specific breed? - 母犬は何歳ですか?これまで何回繁殖していますか?
How old is the mom? How many times have you bred her? - 施設を見学して母犬に会うことはできますか?
Can I visit the facility and meet the mom? - 子犬たちは普段どのような環境で育っていますか?
Where are the puppies kept? - 子犬はどのワクチン接種と寄生虫対策を受けていますか?
What vaccinations and deworming have the puppies received? - 子犬が生後8週になるまでに、どのような社会化トレーニングを行っていますか?
What steps do you take to socialize the puppies before 8 weeks? - その子達の性格や運動量はどのような感じですか?
What is their temperament and energy level like? - もし将来私がその犬を飼えなくなった場合、どのような対応方針ですか?
What is your policy if I can no longer keep the dog? - 子犬の譲渡にあたって、販売契約書はありますか?
Do you use a sales contract?
これらに丁寧に答えてくれるかどうかが、とても重要な判断材料です。
覚えておいてほしいこと
良質なブリーダーほど、
飼い主側にもたくさん質問をしてきます。
- 生活環境
- 飼育経験
- 家族構成
- 現在/将来のライフスタイル
これは「売りたいから」ではなく、
その子が本当に幸せに暮らせるかを確認したいからです。
質問が多い=良いブリーダー
と覚えておくといいと思います。
レスキューとシェルター

ブリーダーから犬を迎えることと同じくらい大切な選択肢が、レスキュー団体やシェルターからの譲渡です。
アメリカでは、約30秒に1匹の犬がシェルターに収容されていると言われています。
そして現在でも、年間約35万〜38万頭の犬が殺処分されているという現実があります。
犬を家族に迎える方法は、ブリーダーから購入することだけではありません。
レスキューやシェルターから迎えるという選択肢も、多くの犬たちの命を救うことにつながります。
フォスターとして犬を預かる
ブリーダーのことがまだよくわからないと思う方は、フォスターという手もあります。
私自身、レスキュー団体を通して犬のフォスターをしています。
フォスターを始めて強く感じたのは、
シェルターやレスキューにいる犬たちの多くが、環境や人間側の事情によって行き場を失ってしまった犬たちだということです。
理由はさまざまですが、
「この子たちが悪いわけではない」と、フォスターを通して痛感しています。
もしフォスターについて興味がある方は、
私の実際の経験をまとめたこちらの記事もぜひご覧ください。
➡︎ フォスター経験 in サンフランシスコ|生後8週の子犬を面倒見ることに
責任ある選択が、未来の犬を守る
バックヤードブリーダーから犬を迎えることが、実際にどういうことなのかを知っておくことで防げることもたくさんあります。
そして、良質なブリーダーを選ぶことも、
レスキューやシェルターから迎えることも、
どちらも責任ある選択に変わりはありません。
どこから迎えるとしても、共通して大切なのは、
- 犬の一生を考えて選ぶこと
- 可愛さだけで決めないこと
- 困ったときに頼れる先があること
- 「迎える責任」を最後まで持つこと
その選択が、あなたと犬のどちらにとっても幸せな未来につながります。
完璧な選択をする必要はありません。
しかし、「知らなかった」では済まされない選択でもあります。
あなたが迎えるその一匹が、
安心して、健康で、幸せに暮らせますように。

