「フォスター」という言葉を聞いたことはあるけれど、実際に何をするのか、里親とどう違うのかまではよく分からない。そんな人は多いかもしれません。
アメリカでは、保護犬・保護猫の命をつなぐ存在として、フォスター(預かりボランティア)はとても重要な存在です。
この記事では、
- フォスター(預かりボランティア)とは何か
- アダプト(里親)との違い
- なぜアメリカでフォスターが必要とされているのか
などをわかりやすく解説します。
フォスターには犬・猫など、さまざまな動物が含まれますが、この記事では「犬のフォスター」に重点を置いています。
◉私自身の体験談については、別の記事
「フォスター経験 in サンフランシスコ|私がフォスターになった理由」
で詳しく書いています。

フォスターとは?
フォスターとは、保護された犬を、正式な里親(アダプト)が決まるまで一時的に自宅で預かることを指します。
フォスターは「飼い主」ではありません。犬の所有権はレスキュー団体やシェルターにあるので、私たち「フォスター」は大きな権限を持つことができません。
フォスターの役割は、
犬を「自分の犬」として迎えることではなく、次の家族へとつなぐための“一時的な家族”になることです。
「一時的」だけど、役割はとても大きい
フォスター期間は、数日〜数週間、場合によっては数か月になることもあります。
この期間に犬は、
- 家の中で生活すること
- 人や子供、先住犬と一緒に過ごす日常
- 静かな場所で眠ること
といったシェルターでは得られにくい、「普通の暮らし」が経験できます。
これがあるかどうかで、犬の精神的な安定や行動は大きく変わり、その後の譲渡のしやすさにも、非常に大きな差が生まれます。
シェルター

シェルターでは、どんなに環境が整えられていても、犬にとっては強いストレスがかかりやすいのが現実です。
- 騒音が多い
- 知らない犬が常に周囲にいる
- 人の入れ替わりが激しい
- 寒さや暑さの影響を受けやすい
こうした環境では落ち着いて眠ることも難しく、犬本来の性格や行動が出にくくなります。
シェルターでの生活は、犬にとっては過酷で大きな負担になることがあるのです。
フォスターとアダプトの違い
| 項目 | フォスター | アダプト |
|---|---|---|
| 期間 | 一時的 | 生涯 |
| 所有権 | レスキュー団体 | 里親 |
| 医療費 | 基本的には団体負担 | 里親負担 |
| 目的 | 次の家族につなぐために迎える | 一生の家族として迎える |
フォスターは「ゴール」ではなく、幸せなゴールへつなぐ大切な中継地点です。
なぜアメリカではたくさんのフォスターが必要なのか
毎年とても多くの犬がシェルターにやってきます。
迷子、飼育放棄、経済的理由、引っ越しなど、理由はさまざまですが、シェルターに入る犬の数に対して、里親の数が十分とは言えないのが現実です。
なお、アメリカでシェルターに犬が溢れてしまう原因に、バックヤードブリーダーの存在も大きく関係しています。
計画性のない繁殖や、責任の持てない販売によって生まれた犬たちが、最終的にシェルターに入るケースも少なくありません。
その結果、シェルターは慢性的にキャパ不足に陥りやすく、犬たちは長期間、強いストレス下で生活せざるを得ない状況になります。
こうした背景の中で存在するのが、「ハイキルシェルター(High Kill Shelter)」です。
多くのレスキュー団体が、ハイキルシェルターから犬を引き出し、フォスターや譲渡につなげるレスキュー活動も行っています。
できるだけ多くの犬を安楽死から守るためには、より多くのフォスターの存在が欠かせません。
ハイキルシェルター(High Kill Shelter)
収容数や資金、人手の限界から、一定期間内に譲渡やフォスター先が見つからなかった犬を安楽死させるシェルターのこと。
こんな人にフォスターは向いている
フォスターは、「特別な人」「経験豊富な人」しかできるものというわけではありません。
実際にはさまざまな背景の人がフォスターとして関わっています。
- 仕事や家庭の都合で飼うことは出来ないけど、
少しの期間でも犬を助けたい - 色々な子犬・成犬と関わり、
それぞれの性格や個性を知りたい - 犬の行動やトレーニングに興味がある
など理由は人それぞれです。
フォスターに必要なのは、完璧な知識や経験ではありません。
一時的でも責任を持って向き合う気持ちがあれば、フォスターとして十分に役割を果たすことができます。
フォスターをするのが難しい人でも、できることはある
フォスターに興味はあっても、
- 住環境の制限がある
- 家族にアレルギーを持っている人がいる
- 仕事や生活が忙しい
などの理由で、「今はフォスターができない」という人も少なくありません。
しかし、フォスターができなくても、他にできることはたくさんあります。
- 寄付や必要物資(ドッグフードやブランケット)の提供
- 散歩に連れて行ってあげたり、トランスポートの手伝い
- アダプションイベントなどの手伝い
- レスキュー団体やアダプトされる必要がある犬の情報をSNSでシェアする
また、犬を迎える選択をする前に、どこから迎えるのかを知ることも、とても大切です。
ただ「ブリーダーだから安心」と思い込むのではなく、どんな環境で、どんな考えのもと繁殖されているのかを、しっかり下調べすることが必要です。
▶︎ 知らないと危険!バックヤードブリーダーと良質ブリーダーの違いを徹底解説
まとめ
フォスターは、シェルターと里親をつなぐために欠かせない存在です。
家庭という環境で犬を一時的に守り、落ち着いた状態で次の家族へ送り出すことは、譲渡の成功率を高め、命を守ることにつながります。
どの犬も、寂しい場所で過ごす未来を選んで生まれてきたわけではありません。
私たちの行動が、その未来を変えるきっかけになるかもしれません。
まずは小さな一歩から、レスキュー団体の投稿をシェアしてみてください。
フォスター・譲渡を探す
- Petfinder
フォスター募集や譲渡中の犬を実際に見ることができます。 - Adopt a Pet
フォスター・アダプト両方の情報が探しやすい。

