
サンフラシスコ在住のゆりです!
「”フォスター”という言葉を聞いたことはあるけれど、
実際に何をするのか、里親とどう違うのかまではよく分からない」
「やってみたいけど、自分にはできるか分からない」
という方が多いかもしれません。
アメリカでは、年間約35〜38万頭の犬が殺処分されていると言われています。
そのため、保護犬の命をつなぐ存在として
フォスター(預かりボランティア)はとても重要な存在です。
この記事では、
- フォスター(預かりボランティア)とは何か
- アダプト(里親)との違い
- アメリカでフォスターが必要とされている理由
などをわかりやすく解説したいと思います。
※フォスターには犬・猫など、さまざまな動物が含まれますが、この記事では「犬のフォスター」に重点を置いています。
◉私自身のフォスター体験談については、別の記事「フォスター経験 in サンフランシスコ|生後8週の子犬を面倒見ることに」
で詳しく書いています。
フォスターとは?

フォスターとは、保護された犬を、正式な里親(アダプト)が決まるまで一時的に自宅で預かることを指します。
フォスターは「飼い主」ではありません。
犬の所有権はレスキュー団体やシェルターにあるので、私たち「フォスター」は大きな権限を持つことができません。
フォスターの役割は、
犬を「自分の犬」として迎えることではなく、次の家族へとつなぐための“一時的な家族”になることです。
「一時的」だけど、役割はとても大きい
フォスター期間は、数日〜数週間、場合によっては数か月になることもあります。
この期間に犬は、
- 家の中で生活すること
- 人や子供、先住犬と一緒に過ごす日常
- 静かな場所で眠ること
といったシェルターでは得られにくい、「普通の暮らし」を経験することができます。
これがあるかどうかで、犬の精神的な安定や行動は大きく変わり、その後の譲渡のしやすさにも、非常に大きな差が生まれます。
シェルター

シェルターでは、どんなに環境が整えられていても、犬にとっては強いストレスがかかりやすいのが現実です。
- 騒音が多い
- 知らない犬が常に周囲にいる
- 人の入れ替わりが激しい
- 寒さや暑さの影響を受けやすい
- 菌や病気が蔓延してしまうことが多い
こうした環境では落ち着いて眠ることも難しく、犬本来の性格や行動が出にくくなります。
時には、完全に心を閉ざしてしまって凶暴になったり、ずっと震えてしまう子もいます。
フォスターとアダプトの違い
| 項目 | フォスター | アダプト |
|---|---|---|
| 期間 | 一時的 | 生涯 |
| 所有権 | レスキュー団体 | 里親 |
| 医療費 | 基本的には団体負担 | 里親負担 |
| 目的 | 次の家族につなぐために迎える | 一生の家族として迎える |
フォスターは「ゴール」ではなく、幸せなゴールへつなぐ大切な中継地点です。
なぜアメリカではたくさんのフォスターが必要なのか
毎年非常に多くの犬がシェルターにやってきます。
迷子、飼育放棄、経済的理由、引っ越しなど、理由はさまざまですが、シェルターに入る犬の数に対して、里親の数が十分とは言えないのが現実です。
なお、アメリカでシェルターに犬が溢れてしまう原因に、バックヤードブリーダーの存在も大きく関係しています。
計画性のない繁殖や、責任の持てない販売によって生まれた犬たちが、最終的に飼育放棄され、シェルターに持ち込まれるケースも少なくありません。
「かわいい」という衝動だけで迎えられ、
準備不足のまま飼育が始まり、
問題行動や医療費の負担が理由で手放される――
こうした連鎖が、シェルターの収容数を押し上げているのも事実です。
その結果、シェルターは慢性的にキャパ不足に陥り、犬たちにとって非常に過酷な環境になることもあります。
こうした背景の中で存在するのが、「ハイキルシェルター(High Kill Shelter)」です。
そのため多くのレスキュー団体が、ハイキルシェルターから犬を引き出し、フォスターや譲渡につなげるレスキュー活動を行っています。
できるだけ多くの犬を安楽死から守るためには、レスキュー団体だけでなく、より多くの一般家庭によるフォスターの存在が欠かせません。
ハイキルシェルター(High Kill Shelter)
収容数や資金、人手の限界から、一定期間内に譲渡やフォスター先が見つからなかった犬を安楽死させるシェルターのこと。
こんな人にフォスターは向いている
フォスターは、「特別な人」「経験豊富な人」しかできるものというわけではありません。
実際には、会社員、学生、子育て中の家庭、リタイア後のご夫婦など、さまざまな背景を持つ人たちがフォスターとして関わっています。
完璧な知識や資格が必要なわけではありません。
必要なのは、“一時的でも責任を持って向き合う気持ち”です。
今は犬を迎えられないけれど、命を助けたい人
「数年後に引っ越し予定がある」
「いずれは犬を迎えたいけれど、まずは経験してみたい」
そんな状況でも、フォスターという形なら命を支えることができます。
期間が決まっているからこそ、一歩を踏み出しやすいという声も多いです。
いろいろな犬と関わってみたい人
子犬、成犬、シニア犬。
人懐っこい子もいれば、少し怖がりな子もいます。
フォスターをすると、それぞれの個性や背景を知ることができます。
「犬」とひとくくりにできない、様々な経験は、とても深い学びになります。
犬の行動やトレーニングに興味がある人
社会化、トイレトレーニング、クレートトレーニング。
フォスターは、実践を通して犬の行動学を学ぶ機会にもなります。
先住犬がいる家庭
「うちにはもう犬がいるから無理かも」
と思う方もいるかもしれません。
安心してください。先住犬がいる家庭だからこそできるフォスターもあります。
他の犬との関わり方を学ばせたい、社会性を広げたいという理由でフォスターを探している子も多くいます。
私自身も、JOYがいる中でフォスターを経験しました。不安も少しありましたが、JOYにとってもフォスター犬にとっても大きな学びの時間になったと感じています。
フォスターをするのが難しい人でも、できることはある
フォスターに興味はあっても、
- 住環境の制限がある
- 家族にアレルギーを持っている人がいる
- 仕事や生活が忙しい
などの理由で、「今はフォスターができない」という人も少なくありません。
しかし、フォスターができなくても、他にできることはたくさんあります。
- 寄付や必要物資(ドッグフードやブランケット)の提供
- 散歩に連れて行ってあげたり、トランスポートの手伝い
- アダプションイベントなどの手伝い
- レスキュー団体やアダプトされる必要がある犬の情報をSNSでシェアする
また、犬を迎える選択をする前に、どこから迎えるのかを知ることも、今できることの一つです。
ただブリーダーだから安心と思い込むのではなく、どんな環境で、どんな考えのもと繁殖されているのかを、しっかり下調べすることが必要です。
▶︎ 知らないと危険!バックヤードブリーダーと良質ブリーダーの違いを徹底解説
まとめ
フォスターは、シェルターと里親をつなぐために欠かせない存在です。
家庭という環境で犬を一時的に守り、落ち着いた状態で次の家族へ送り出すことは、譲渡の成功率を高め、命を守ることにつながります。
どの犬も、寂しい場所で過ごす未来を選んで生まれてきたわけではありません。
私たちの行動が、その未来を変えるきっかけになるのです!
まずは小さな一歩から、レスキュー団体の投稿をシェアしてみてください。
フォスター・譲渡を探す
- Rocket Dog Rescue
私たちが利用しているレスキュー団体です。 - Petfinder
フォスター募集や譲渡中の犬を実際に見ることができます。 - Adopt a Pet
フォスター・アダプト両方の情報が探しやすいです。


